米雇用統計はなぜ大事なのか??チャートとFX

ファンダメンタルズ分析で重要な要素に雇用統計があります。

FXをされている方は米雇用統計の前後で為替が大きく動くことを何度も経験されていると思います。相場は米雇用統計前後で大きく動くことは周知の事実だと思いますが、なぜアメリカでは雇用統計がこれほど重要なのか改めて説明したいと思います。

目次

米雇用統計とは??

雇用情勢を調べた景気関連の経済指標のことをいいます。

具体的に米雇用統計は

失業率

非農業部門就業者数

建設業就業者数

製造業就業者数

小売業就業者数

金融機関就業者数

週労働時間

平均時給などの10数項目です。

なぜ、アメリカの雇用統計は重要なのか??

雇用情勢の変化は、アメリカに限らず

個人所得や個人消費などに波及し、また今後の景気動向にも大きな影響を与えます。

雇用統計の中でもアメリカでは「非農業部門就業者数」と「失業率」の2項目が特に注目され、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定にも大きな影響を与えています。

「非農業部門就業者数」について

農業以外の分野で給料をもらっている人がどれだけいるかという数字です。

アメリカのGDPの約7割は個人消費であり、個人がどれだけ安定的に収入を得て消費できるか、ということが大切です。

日本の雇用形態は正社員が多く、業績に連動して正社員の増減をフレキシブルにできませんが、アメリカの雇用形態は非正規雇用が多く、業績に連動して増減するため、就業者数を見ればアメリカに拠点を持つ企業の業績が分かる訳です。つまり、この数値がよければ景気がいいと判断され、企業の業績、給料、物価も上がり、市場経済がインフレ方向に傾くことが多いので、アメリカの中央銀行であるFRBは「利上げ」というかたちでインフレにブレーキをかけることもあります。

利上げをすれば、ドルの価値は上がるので、みんなドルを買おうとするわけです。だから、円安ドル高方向へ進むわけですね。

「失業率」について

失業率を考える前にまず、失業の定義を確認しないといけません。

働いていない人を失業と定義するのか、日本のように働く意思があり、職を探しているにもかかわらず職がない人のことを定義するのか、60歳以上でも働きたい人で仕事がないと失業者と扱うのかなどなど、この定義をはっきりさせることは非常に重要です。

アメリカでは労働力調査。調査週において仕事がなく、調査週を含む過去4週間以内に求職活動を行い、かつ就業可能(一時的な病気の場合は除く)であった16歳以上の者。レイオフされた労働者で前職に復帰するために待機中の者を含む。

(失業者÷労働力人口)×100で算出されます。分子の失業者数は、16歳以上の男女が調査対象となりますが、軍隊従事者や刑務所の服役者、労働意志のない者は含まれません。

日本では労働力調査。調査週において仕事がなく、かつ求職活動を行い、就業可能であった15歳以上の者。過去の求職活動の結果を待っている者を含む。

「失業率」はその国の経済の実態から少し遅れて反映される(大体半年ぐらい)、とみられていますので「非農業部門就業者数」が減っていて「失業率」が上がっていると、確実に景気が悪いと判断できる訳です。

失業率のカラクリ in 韓国

ここで面白い話なのですが、韓国という国。

失業率はとにかく低く景気はいいように見えます。

http://ecodb.net/ranking/area/A/imf_lur.html

(世界経済のネタ帳より)

実際、韓国経済は景気がいいのでしょうか???

韓国というと財閥企業(サムスン、ヒュンダイ、LG、ロッテ)以外はほとんどありません。

サムスンが韓国のGDPの15~20%あり、上記の財閥企業でGDPの約70%程度閉めます。つまり上記の財閥企業の一つでも風邪引くと、韓国経済は肺炎になってしまうのです。

去年(2016年)のサムスンの動きを見て見るとギャラクシーの爆発事件からギャラクシーは飛行機では使用禁止ではなく持ち込み禁止になりました。サムスンが風邪をひいている訳です。

つまり、韓国経済が調子がいいわけありません。ただ、失業率を見る限りは景気がいいのです。

なぜ、韓国ではこうなるのかというと、

韓国の失業率のカウント方法にカラクリがあるのです。

韓国では職を選んでいて仕事がない人は職を探していないとカウントされるわけです。

例えば、大学で法律を学習したので法律関係の仕事を探していたとします。そんな人が、パン屋の求人しかなくパン屋に就職しなければ職を探していないと判断され、失業者とはカウントされないのです。

そんなことから韓国経済は調子が良くても悪くてもほとんど数字には反映されないのです。

普通はなかなかそんなことわかりませんよね。

☆まとめ

雇用統計というのは企業の景気の良さ、今後の消費や物価動向がわかる指標になるのでこれがいいとアメリカの株価が上がり、それによってFRBが金利を引き上げるとドルに買いが入りドル高、円安になるので、非常に重要な指標になります。

また、韓国経済のように森も木も見ないと真実は分からない国もありますので要注意ですね。


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