米中貿易戦争は貿易だけにとどまらない!?今後の展開と抑えるべきポイントとカード!

米中貿易戦争は貿易だけにとどまらない!?今後の展開と抑えるべきポイントとカード!

米中貿易戦争の背景と投資先への影響、株価、為替はどうなるのか?

目次

アメリカはなぜ中国への関税を引き上げたのか

トランプが中国にキレた理由とは?

トランプ大統領は、USTR(米通商代表部)の報告を受け、米国の知的財産権が中国に侵害されていると3月21日に断定しました。 そして、「通商法301条」を発動し、不公正な貿易慣行に大統領権限で制裁措置を課す方針を打ち出しまします。それが、今回の関税引き上げによる貿易戦争の発端です。

実際にはこれを正当な理由として使っているだけで、本音は中国の一帯一路であったり中国製造2025など、様々なブチぎれポイントがあると言われています。

そして、今回の関税の引き上げはアメリカの中国に対する制裁の序章とも。

アメリカは前オバマ政権など、民主党政権時に中国や北朝鮮に対してあまりにも甘い対応を続けていたため、北朝鮮のミサイル開発、中国の軍事力や経済力がアメリカを脅かすギリギリのところまできてしまっているというのが原因です。

メディアではトランプ大統領が中国に対してめちゃくちゃ言ってるように報道されています。

しかし、実際のところ、中国に対しての厳しい態度は共和党、民主党ともに共通しており、貿易だけにとどまらず、投資、ビザの発行の制限まで検討されています。

つまり、『人・もの・金』全てについて中国に対して厳しくなる方向で、中国はここにきて共産主義の限界ポイントを迎えそうな状況になりつつあります。

米中の貿易はどちらが有利?

米中の輸出入の貿易額はいくら?

中国から米国への財の輸出総額は2017年に5,050億ドル、一方、米国から中国への輸出総額は1,300億ドルであり、その結果、米国の対中国貿易赤字額は3,750億ドルとなっています。

つまり、アメリカは中国からの輸入額の5050億ドルに対して関税をかけることができます。

しかし、中国はアメリカから1300億ドルしか輸入しておらず、アメリカに対抗して関税をかけるといっても総額が少な過ぎてそれだけでは全く対抗できません。

総額で約4倍の貿易摩擦額だからと言って、4倍の関税をかける!なんてことは到底できません。

それでは、それぞれ、米中かんではどのようなものを貿易しているのかについて見ていきたいと思います。

アメリカから中国への輸出品目

アメリカから中国に対しては何を輸出しているかというと、主には農作物、豚肉、果物、自動車となっています。メインは中国人が生きていくために絶対に必要な食べものになります。

食べ物は中国がわざわざアメリカから輸入しなくても中国で作れそうなものだと思われるかもしれませんが、そういうわけにはいきません。

中国では食料の自給率が圧倒的に低く、輸入が止まると餓死してしまう人が大勢出てしまうレベルにあります。

ならば、中国国内で生産量を上げればいいのでは!?と思われるかもしれませんが、食物はすぐにはできません。最低でも数年はかかります。

では、他の国から輸入すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、中国のお腹を満たす量を他の国から調達することができないのが現実です。

つまり、中国がアメリカからの輸入に関税をかけると中国国民に直接的にダメージを食らうことになります。

一方、アメリカでは中国が作物を買ってくれないと農家の生活が成り立ちません。

そこで、アメリカでは農家に対して、補助金をばらまいて対応をしています。

中国にとってもアメリカにとってもどちらもいいことがないというのが現状です。

中国からアメリカへの輸出品目

中国からアメリカへの輸出は5,050億ドル分ありますので当然、様々な分野の物があります。

アメリカでもっとも有名なappleの製品はdesigned in California , assembled in Chinaとなっています。

今回、アメリカが追加課税しようとしているのは、その中でもハイテク製品(情報通信機器、ロボット、半導体)、化学製品、鉄鋼、アルミなどです。

アメリカが追加課税する品目を見ると、「中国製造2025」の先進情報技術(IT)、ロボット、航空機、新エネルギー車、医薬品、発電設備、先端材料、農業機械、造船・船舶工学、高度な鉄道設備の10分野に関連する製品が目立ちます。

つまり、アメリカの知的財産権を侵害し、中国が発展することでアメリカの安全保障に影響を与えることは許しません!ということですね。

しかし、いくら関税で中国製品からの関税を引き上げ、アメリカ国内の競争力を上げたとしてもそれだけではアメリカの経済はよくなりますが、知的財産権の問題は解決されません。

なぜなら、アメリカの有名大学の30%は中国人と言われており、アメリカで最先端技術を習得し、更にアメリカ企業に就職して技術を習得してその技術を中国に持ち帰り、中国企業が発展するといった事例が増えてきているからです。

そこで、アメリカは輸入品だけでなく、中国からの留学生の受け入れなどの人の移動に対しても制限をかける方針です。

米中貿易戦争、次の一手は!?どんなカードがある?

中国がアメリカに対して対抗できるカードとは

中国か保有数アメリカ国債を売却する?

カードとしてはありますが、これは現実的ではありません。 なぜらな、中国がアメリカ国債を売るというのはドル売り、人民元買いになり、人民元高になってしまいます。 つまり、貿易で利益をあげたい中国にとっては更に輸出を不利にすることになります。

また、世界のどこからも人民元は相手にされていないものの、米国国債を保有しているという信用で成り立っているところもあるため、米国国債を売ってしまうと、長期的にみて自国の通貨の信用を落とすことにもなります。

カードのようで自滅行為になってしまうことからこれらこのカードでは対抗できそうにありません。

今の報復関税で税率を更に上げる

輸入している金額が少ないからといって、更に米国からの輸入品に関税をかけることは可能です。

しかし、アメリカから輸入している農作物、豚、果物などは中国で生産することができないものです。更に、量が多すぎて他の国から調達することも難しい状況にあります。

つまり、生きて行くのに必要な商品かつ、アメリカから輸入するしか選択肢がありません。

それが、急に値上がりすると国民生活に大ダメージを受け、今の政権を揺るがしかねない状況になります。

現に、一連の貿易戦争で、習近平政権を批判する活動が活発になってきているとも報道されています。

アメリカが中国に対して対抗できるカードとは

中国人が保有するアメリカ国内の資産の没収(国際緊急経済権限法(IEEPA))

国際緊急経済権限法(以下IEEPA)とは簡単に説明すると、「安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処することができる法律です。

具体的には、攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の資産没収(米国の司法権の対象となる資産)、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止など」です。

そんなアメリカ至上主義のような法律が存在するの!?と思ってしまいますが、あるんです。

既に、トランプ大統領は国際緊急経済権限法を検討しているとブルームバーグが関係者筋の話として取り上げています。

アメリカとしては『安全保障』、『経済』というところで国際緊急経済権限法を発令する理由は十分に作れてしまうのではないでしょうか。

中国は25年7月末時点で外貨準備高の約3分の1にあたる1兆2773億ドル(約126兆円)を米国債で保有しています。更に不動産や米ドル、株式なども合算すると更に1兆ドル以上あるとも言われています。 もし、アメリカが中国にこれを発動するようなことがあればどうなるのかを考えると、これは流石にきれないカードだとは思います。

そもそも、国際緊急経済権限法は今まで発動したことがあるのかというと、適応された国は約20ヶ国。

組織では、リビアのカダフィー政権の関係者や日本人では山口組や住吉会、稲川会、工藤会などの幹部に適応されています。

為替、株価への影響は?

貿易戦争になると世界的に株安、円高の方向に進みます。 これが引き金になるのか、世界的な株安になると、これが波及して世界恐慌の可能性もあります。 詳しくはこちら。

2018年予想は株価大暴落、為替は超円高に!?その理由とは

 

まとめ

貿易戦争はアメリカが勝ちます。

貿易だけにとどまらず、今後、様々なことが起こる可能性があります。

中国の一帯一路であったり、中国が後進国に貸し付け担保として港や島にとっていたりなど、これがIMFの管轄になればこれらはアメリカ主導で進められます。

今後、中国がどのようになっていくのか、今の方向性ではアメリカに思う存分やられるかもしれませんね。

 


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